「常陸大宮市史編さんだより」

常陸大宮市史編さん事業の本格始動に伴い、平成28年9月発行の「広報常陸大宮」から、市史編さんだよりの連載をスタートしました。

常陸大宮市史編さんだよりvol.59「むかしの女子会 「子安講」(長田地区)」

民俗部会 部会長(茨城県立歴史館 史料学芸部学芸課特任学芸員) 大津 忠男

 旧山方町の長田(おさだ)では、写真のような祠(ほこら)をいくつも確認することができます。県道沿いにあるものが多く、他の地域よりも目立ちます。県道102号線沿いに三つ(仲寺田・寺内地区合同、羽出庭・鍛冶屋入地区合同、荒屋地区)と、仲内地区に一つあります。元来の場所から移設され、いくつかの石仏や石碑を一緒にお祀りするようになったものが多いようです。

 「馬頭観世音」「二十三夜供養塔」「百萬遍供養塔」など合祀されている神仏は様々ですが、祠内に必ずお地蔵様が安置されていることと、そのお地蔵様に「ザクマタ(ザガマタ)」という卒塔婆(二股に分かれたY字状の枝の表面を削り文字を書き入れてある)が奉納されていることは、四箇所とも共通です。荒屋地区の祠には二十数本もの「ザクマタ」が奉納されています。奉納者として「子安講」「女人講」の文字が見え、長田の各地区には女性の講(グループ)があったことがわかります。

 仲内地区の祠は「地蔵さん」とか「子安さん」と呼ばれています。近くにお住いの海老根一さんからは、地区内12戸の奥様方でつくる「子安講」というグループとこの祠の関連が深いことをご教示いただきました。「子安講」とは、地区内全戸の奥様方で構成されたグループです。年に3~4回、「ヤド(当番の家)」に集まって女性だけの会を開いていました。赤飯や煮物が用意され、よもやま話をしながら午後の一時を楽しく過ごす、今でいえば、“奥様方の女子会″といったものでしょうか。「ザクマタ」はこの講で何か行事をした際に奉納したそうです。仲内の「子安講」では、行事の際に安産祈願で有名な延生(のぶ)の地蔵尊(栃木県芳賀町)の掛け軸をかけていました。地区のお嫁さんの妊娠や安産を地区全体の女性陣で見守り、無事をお祈りすることが大きな目的だったのです。ただし、この会に参加できるのは各戸から奥様一人だけで、お姑さんが引退してからでないとお嫁さんは入会できない規則がありました。

 ここのところ、講の活動は中断されていますが、かつての暮らしぶりや考え方を垣間見ることができる貴重な事例だと思います。

荒屋地区の祠  仲内地区の祠

▲荒屋地区の祠               ▲仲内地区の祠

PDF版はこちらから→常陸大宮市史編さんだよりvol.59 [PDF形式/1.69MB]

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