○常陸大宮市森林環境整備推進事業実施要綱
令和4年9月16日
訓令第34号
(趣旨)
第1条 この要綱は,水源のかん養,自然環境の保全,自然景観の維持,林産物の供給等多くの公益的機能を有する里山林の保全を図り,調和のとれた森林の造成を計画的かつ効果的に推進するために実施する森林環境整備推進事業に関し,必要な事項を定めるものとする。
(1) 森林 市内に所在する森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に規定する森林をいう。
(2) 民有林 市内に所在する森林法第2条第3項に規定する民有林をいう。
(3) 森林環境整備推進事業 整備の行き届いていない森林がある区域において,市民からの提案を受けて市が行う森林整備事業をいう。
(4) 森林管理者 森林所有者から委任を受け,森林環境整備推進事業を実施する区域(以下「施工地」という。)の維持管理等を行う者をいう。
(事業の要件及び内容)
第3条 森林環境整備推進事業の要件及び内容は,別表のとおりとする。
(事業の提案)
第4条 森林環境整備推進事業の実施を希望する者(第7条において「提案者」という。)は,書面で市長に対し当該事業の提案を行うものとする。
2 市長は,前項の規定による提案のあった施工地について,現況や利用状況を踏まえ森林環境整備推進事業の実施の可否を決定し,森林環境整備推進事業を実施するものとする。
3 市長は,広報紙及びホームページ等により森林環境整備推進事業について広く周知し,施工地の提案を求めるものとする。
(維持管理協定)
第5条 市長は,森林環境整備推進事業の実施に当たり,森林所有者又は森林所有者及び森林管理者と施工地の維持管理に関する協定(以下「協定」という。)を締結するものとする。
2 協定の期間は5年間とし,当該協定の種類及び協定締結に当たっての留意事項は,次の表に掲げるとおりとする。
協定の種類 (協定の相手方) | 協定締結に当たっての留意事項 |
保全型協定 (森林所有者) | 森林所有者は,協定の期間中は施工地を他の用途に使用しないものとし,森林の適正な維持管理に努めるものとする。 |
保全活用型協定 (森林所有者及び森林管理者) | 森林所有者は,協定期間中は施工地を他の用途に使用しないものとし,当該施工地を多目的利用の場として森林管理者に維持管理を委任するものとする。 |
(標識の設置)
第6条 市長は,施工地の適正な保全を図るため,施工地内の適当な位置に標識(別記様式)を設置するものとする。
(役割分担)
第7条 施工地の境界及び協定の締結に係る承諾取付けは,提案者が行うものとし,その他の森林環境整備推進事業の実施に係る庶務は,市が行うものとする。
(補則)
第8条 この要綱に定めるもののほか,必要な事項は,別に定める。
附則
この訓令は,公布の日から施行する。
別表(第3条関係)
1 森林環境整備推進事業の要件
(1) 施工地の区域が,次に掲げる要件を全て満たしていること。
ア 民有林又は事業実施後に森林となることが確実な区域であって,地域の環境保全に寄与する区域
イ 市と森林所有者等において,5年間の森林の転用禁止等を定めた協定が締結されることが確実な区域
ウ 1施行地の面積が0.05ha(500m2)以上の区域
※ただし,通学路等道路沿いの森林整備については,通学児童生徒の安全確保のために,市長が必要と認めた場合は,この限りでない。
(2) 森林所有者又は森林所有者及び森林管理者は,事業実施後,継続して適切に施工地の維持管理を実施すること。
(3) 次のいずれかの目的を達成するために行う森林整備であること。
ア 整備の行き届いていない里山林の整理伐を始めとする整備・管理をすることにより,森林の公益的機能を高めること。
イ 有害鳥獣による農作物被害等が発生し,又は発生する恐れがある田畑・住宅に隣接する森林を整備することで,有害鳥獣が人里に近づきにくい環境を創出すること。
ウ 荒廃した有用広葉樹林(クヌギ・コナラ林等)を健全な森林に再生させること。
エ 通学路や住宅地周辺に近接する森林等を整備・管理することにより,見通しを良くし歩行者の安全を確保すること。
オ 森林に侵入した竹を駆除し,健全な管理を行うこと。
カ 景観向上や観光資源創出により地域経済に波及し,質の高い森林浴等の場を提供するような森林を整備すること。
2 森林環境整備推進事業の内容
区分 | 内容 |
植栽 | 森林の造成又は複層林の造成を目的として,地拵え,苗木の植栽及びこれらに伴う作業を行う。 |
刈払い | 森林環境づくりや林木の健全な成長を促進させることを目的として,雑草木の除去等を行う。 |
整理伐 | 森林環境づくりや林木の健全な成長を促進させることを目的として,不良木の淘汰,不用木の除去等を行う。 |
枝打ち | 森林環境づくりや林木の健全な成長を促進させることを目的として,林木の枝葉の一部の除去等を行う。 |
作業路開設 | 森林整備を行うために必要な作業路(幅員は2m以下とする。)の開設を行う。 |
伐採木搬出 | 林内の見通しや安全性の向上を目的として,伐採した林木の林外への搬出を行う。 |
簡易防災施設整備 | 森林の保全を図るための簡易な防災施設(木柵工,排水施設等)の設置を行う。 |
標識設置 | 適正な保全を図るための標識の設置を行う。 |
施設設置 | 森林を公益的に利用するための施設の設置(遊歩道,ベンチ,巣箱等)を行う。 |
注1 刈払い,整理伐及び枝打ち等の実施に伴い発生する伐採木や枝条等については,原則として施工地内で利用し,又は処分するものとする。また,簡易防災施設整備や施設設置等で用いる木材は,原則として伐採の合法性が証明された市産木材とする。
注2 植栽を行う苗木の種類については,原則として郷土樹種であり,高木性樹木とすること。
注3 施設設置については,東屋等の構築物は対象としない。
植栽対象樹種の例
(針葉樹) アカマツ,クロマツ,スギ,ヒノキ,サワラ,モミ,カヤ等 |
(常緑広葉樹) スダジイ,シラカシ,アカガシ,ウラジロガシ,アラカシ,ヤブツバキ,ヒサカキ,モチノキ,マテバシイ等 |
(落葉広葉樹) アオハダ,アカシデ,イヌシデ,イロハカエデ,ウリカエデ,ウリハダカエデ,ウワミズザクラ,エゴノキ,エノキ,オオモミジ,オニグルミ,クヌギ,クマシデ,クリ,ケヤキ,コナラ,トチノキ,ナツツバキ,ナツハゼ,ハクウンボク,ハリギリ,ハンノキ,ホオノキ,ミズキ,ムクノキ,ヤマザクラ,ヤマハンノキ,ヤマボウシ,リョウブ,ヤシャブシ等 |