常陸大宮市市制施行20周年を記念し、夏休み期間中、市内の小中学生を対象に「常陸大宮市市制施行20周年記念絵画・書道・作文コンクール」の作品募集を行いました。常陸大宮市の将来や未来をイメージし、児童・生徒が作成した作品の中で、最優秀賞を受賞した作品を紹介します。
絵画の部
大宮西小学校1年生 小瀧莉愛さん
大宮小学校2年生 小野瀬新月さん
大賀小学校3年生 石川景梧さん
上野小学校4年生 藤田花依さん
大宮西小学校5年生 飛田來伽さん
御前山小学校6年生 安藤怜哉さん
山方中学校1年生 大津結菜さん
第二中学校2年生 山田愛莉さん
大宮中学校3年生 河治茉桜さん
書道の部
大宮小学校4年生 小室李夏さん
大宮小学校5年生 若林治希さん
大宮北小学校6年生 大内杏花音さん
第二中学校1年生 森嶋真彩さん
大宮中学校2年生 四倉姫奈さん
明峰中学校3年生 角田光希さん
作文の部
上野小学校4年生 萩野間新さん
20年後の常陸大宮市って
ぼくの家族は7人。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、2人のお姉ちゃん、そしてぼく。
ぼくは、この家族の一人として生まれてきて、毎日楽しくしあわせにすごしています。常陸大宮市は、自然にめぐまれていて、スーパーやお店もたくさんあるし、とても住みやすいと思います。ちょっと車で水戸やひたちなか市や那珂市にもお出かけすることができます。今のところ、あまり住みにくいなと思うことはありません。
でも、将来のことを考えるとちょっと不安な気持ちになります。
ぼくは、今、9才です。20年後は、29才になっています。ぼくは、将来、コンピューター関係の仕事をしたいと思います。ゲームを開発したりして、みんなの生活が、ゆたかになるようにできたらいいし、ITのぎじゅつはもっと進んでいくと思うので、そのためには、大学まで行って、自分なりに勉強をがんばりたいと思います。
しかし、せっかく大学をそつ業しても、それを生かして働く所が、ぼくの大好きな常陸大宮市にはありません。大切で大好きな家族とはなれて、仕事をすることになってしまいます。とても、かなしいです。
常陸大宮市の人口は、少しずつへってしまっています。その理由は、高校や大学をそつ業した若い人の働く所が少ないからなのではないでしょうか。もっと、若い人が働ける所をふやしていけば、人口もへっていくことはなくなっていくのではないでしょうか。
20年後の常陸大宮市はどんな市になっているのでしょう。大切なことは、常陸大宮市がみんな大好きだという気持ちを持ち続けていくことです。ぼくは、大切で大好きな家族と、20年後も、この常陸大宮市で、しあわせな毎日をすごしたいと思います。
大宮小学校5年生 佐竹勇星さん
未来の常陸大宮市
ぼくのお父さんは、このまちで生まれ、大宮町の時からたくさんの思い出があるそうです。今でも地元の同級生でつくった野球チームを大切にしていて、よく話をしてくれます。
ぼくもお父さんやお母さんの話を聞きながら、このまちのよさやまちの未来について改めて考えてみました。
ぼくがかっている犬のモカの散歩をしている時のことです。ぼくの家の近くには畑がたくさんあって、そこに野菜を育てている一人のおばあちゃんがいます。そのおばあちゃんはいつもにこにこしながらあいさつしてくれて、いろいろお話をしてくれたり、モカをかわいがってくれたりします。野菜をもらったこともあります。ぼくはそのおばあちゃんに会うと温かい気持ちになるので大好きです。おばあちゃんのように温かくてやさしい人がいるのはこのまちのとてもいいところだし、こういうやさしい人がこれから先もたくさんふえていくといいなあと思います。
ただ、散歩をしていて嫌な思いをしたこともあります。それはモ力が落ちているゴミを食べて具合が悪くなってしまい、病院へ連れていかなければならなくなったことです。その時は本当につらくてかなしい思いをしました。それからは毎日気を付けて散歩していますが、毎日のように道にはゴミが落ちています。みんなが他の人のことを考えて、ゴミはゴミ箱にすてるといった当たり前のことを当たり前にできれば、だれもいやな思いはしないですむと思います。また、もしもゴミが落ちていたら、自分のものじゃなくても自主的に拾う人が増えれば、まち中きれいになるし、動物達にとってもやさしいまちになると思います。
ぼくはこのまちで生まれ、このまちが大好きなので、みんなでよりよいまちにしてずっとずっと大切にしていきたいなと思います。
美和小学校6年生 河野遙希さん
未来の常陸大宮市とぼく
ぼくの感じている常陸大宮市の魅力は、自然が豊かなこと、昔の町並みが残っていること、充実した公共施設があることです。この3つの魅力をずっと大切にし、より発展した常陸大宮市になってほしいと思います。
ぼくが住んでいる美和地区は、特に自然が豊かで、とても居心地が良い所です。山に囲まれていて、秋には紅葉がとてもきれいです。また冬には、雪化粧した山が見られ、ぼくたちの心を和ませてくれます。ぼくは四季折々に変化する美和の山が大好きです。だから、ずっとずっとこの自然を守り、自然とともにある常陸大宮市であってほしいと思います。
今でも昔の町並みが残ってるところも常陸大宮市の魅力だと思います。ぼくの地区には、国登録有形文化財となった「喜雨亭」があります。校外学習で「喜雨亭」を見学に行きましたが、その建物の美しさや工夫された建築技術に感動しました。明治20年以前に建てられた喜雨亭は、ずっと人々に愛され、今に至ることを知りました。このような伝統を守り、維持していくことも未来の常陸大宮市の発展にとって大切なことだと思います。
また常陸大宮市は公共施設が多く、充実していると思います。大きな球場がある市運動公園や、たくさんの遊具がある公園が各地区にあり、スポーツを楽しんだり、いこいの場となったりしています。ぼくの家の近くには、花立自然公園があり、豊かな自然ときれいな施設の中、おもいっきり体を動かすことができます。公園があることで、ぼくたちの生活がとても豊かになっていると思います。ぼくは、これらの公園をずっと大切にして、大人になり新しい家族をもったとしても、この公園で遊びたいと思います。
ぼくは市の自然と伝統を守ったり、公共施設を大切に活用したりすることで、市の豊かな魅力を未来に引き継いでいきたいです。
山方中学校1年生 佐藤和樹さん
2044年の常陸大宮観光
2044年8月、私は水戸駅1番線ホームにいる。これから茨城と福島を結ぶJR水郡線に乗って沿線の常陸大宮市を観光していこうと思う。列車は9時33分水戸駅を出た。
これから向かう常陸大宮市は茨城県北西部にある自然豊かな市だ。また、近年近代化が進んでおり、自動運転のタクシーや市内各地を巡る自動運転バス「おおみやのっぺ号」が1日15便ほど運行している。最初の目的地、常陸大宮駅が近づいてきた。10時3分、列車は常陸大宮駅に到着。常陸大宮駅は、駅舎が新しくなってもう17年もたつというのに、全く古さを感じさせない。それに駅の西側には、大きな屋根の観光交流施設があり、多くの人々に親しまれている。今日は施設オープン15周年、水郡線110周年、それに市制40周年記念でマルシェが開かれており、市内の多くの店が出店していた。その多くの店が駅一帯の再開発後にここに店を構えたというのだから、駅の開発の影響力は大きいなと感じさせられる。そのマルシェで私はお昼ごはん用にお弁当を買った。次の列車で食べるとしよう。駅の東側にも、バスの発着所や、レトロな店が立ち並び、こちらも栄えているなと思った。
さて、常陸大宮駅を11時30分に発車する列車に乗って、山方宿駅へ向かう。道中、車内でさっき買った弁当を食べた。中には、有機栽培のお米と瑞穂牛の牛めし、原木しいたけの煮物と、ブルーベリームースが入っていた。これら全てが地産の食材で作られているそうだ。お弁当をぺろりと食べ切り、しばらくして列車は山方宿駅に着いた。さあ、ここからは自動運転バス「おおみやのっぺ号」に乗って、昨年全館リニューアルした三太の湯へ行こう。バスがやってきた。車内は5人座れるくらいの大きさで、外見と比べると意外と広い。こうしてゆっくりバスにゆられるのもまたいいなと思った。出発から30分、三太の湯に着いた。昨年のリニューアルで、ちょっぴりレトロに、そして前よりさらに開放的になった三太の湯には、若者や外国人観光客も、多く訪れていた。すべすべとしたお湯を満喫し、湯上がりに、名物ゆずソフトを食べた。そしてまた、バスで山方宿駅にもどり、15時10分、次の中舟生駅へ向け、出発。3分程で中舟生駅に着く。そこから国道を100m程歩き、西の内和紙「紙のさと」に着いた。中に入ると、和紙の原料「楮」の独特なにおいと、数々の工芸品や、紙が販売されていた。さらに奥では紙すき体験も行っているそうで、旅の記念に1枚、体験してみた。原料のぬめっとした感じと水の冷たさが心地よく、とてもおもしろかった。その後色や模様を付け、乾燥させる。作品は1か月程で届けてくれる。
16時17分、水戸駅行の列車で帰路に着く。魅力いっぱいの常陸大宮市に、また来たいと思った。
大宮中学校2年生 岡﨑蒼羽さん
「笑顔であふれる町」常陸大宮市
私は、将来常陸大宮市が「笑顔であふれる町」になってほしいと考えています。常陸大宮市に住んでいる人や常陸大宮市に観光などで訪れてくれる人が笑顔になるような、そんな町になってほしいと願っています。祖父と話をしていると、その「笑顔」のヒントをたくさん見つけることができます。そこで、どうしたら「笑顔であふれる町」になるかを考えました。
まず、住んでいる人にとっての「笑顔」についてです。これを叶えるためには、若い人からお年寄りまで、様々な世代の人が力を取り合っていくことが大切だと考えます。常陸大宮市は、今から20年前に大宮町、山方町、美和村、緒川村、御前山村が合併して誕生しました。その当時から、大宮町を除く、4町村では少子高齢化や都市への人口流出などで過疎化が進んでいましたが、現在ではさらに悪化しています。私の祖父は美和地区に住んでいますが、いつか「この辺りには高齢者の一人暮らしばかりだ。」となげいています。市街地には若い世代が多くても、それ以外の場所では、祖父の住んでいる状況と似ています。私の両親は、高齢の祖父を心配して、一緒に住もうと提案したこともありましたが、住み慣れた土地を離れたくないようです。そんな地域に、若い人たちが積極的に訪れる仕組みがあればいいなと思います。反対に、過疎が進んでいる地域のお年寄りが、駅を中心とした市街地に来られる仕組みもあればいいなと思います。移動手段だけでなく、お年寄りどうしや若い世代とお年寄りが交流できる施設やイベントがあれば、町全体が活性化して笑顔であふれるのではないかなと思います。
次に、観光などで常陸大宮市を訪れてくれる人の「笑顔」についてです。常陸大宮市の最大の魅力は、豊かな自然です。常陸大宮市は久慈川と那珂川の大きな河川や山々に囲まれています。その自然を活かして、現在でもキャンプやバーベキュー、川遊びなどで観光に来てくれる人がいます。私はそれに加えてホタルの里として過疎が進んでいる地域が注目されるといいなと思います。祖父の住む地域では、夏にホタルを見ることができます。その光景は、とても幻想的です。しかし、これは、祖父やその地域の人が協力して、草刈りなどをしてきれいな環境を整えているからだと知りました。常陸大宮市の住民が手を取り合って、環境を守っていくことが大切だと思いました。その結果、豊かな自然だけでなくホタルの里として、常陸大宮市の魅力が多くの人に広がって、何度も来てもらえるそんな町になると思います。
私は、常陸大宮市が住民どうしで手を取り合って、生活や自然を守っていける町になってほしいです。そして、住民だけでなく、観光などで訪れてくれた人の「笑顔であふれる町」になってほしいなと思います。
明峰中学校3年生 堀江莉歩さん
未来の常陸大宮市のためにできること
皆さんは、常陸大宮市が好きですか。私は胸を張って、「好き」と答えます。なぜなら、自然に囲まれ、そこに住んでいる人も心優しく、何より私が好きな祭が生活に根付いている地域だからです。しかし学校の授業で、常陸大宮市が抱える問題を知りました。私たちの学校でも少しずつではありますが、入学してくる生徒の数が減少してきています。少子高齢化や過疎化の問題は決して人ごとでなく、将来このふるさとが危機を迎えるかもしれないと不安になりました。
では、私たちは未来の常陸大宮市のために何かできることはないのでしょうか。私は2つのことを提案します。
1つ目は、伝統文化で地域を盛り上げていくことです。私の住む地域には、鷺子神社をはじめ地域の人たちが大切にしている神社仏閣が多くあります。夏にはお祭りが開かれ、きらびやかな山車が地域を練り歩きます。また、地元の子どもたちは幼い頃からお囃子の稽古を始め、本番も大人と一緒にお祭を盛り上げます。私は、今でもお囃子の音色が聞こえてくると、夏の到来を感じ心が躍ります。お祭りなどの伝統文化には、非日常的な体験ができるという特別な魅力があります。この魅力を地元の人だけでなく、もっと多くの人たちに発信することで、人々が集まり、地域に賑わいをもたらすきっかけになると思います。私たちの世代が得意とするSNSなどのソーシャルメティアを活用し、多くの人が伝統文化を共有体験できるふるさとを築くことができるのはないでしょうか。
もう一つは、持続可能な地域社会を築いていくことです。持続可能な社会を築いていくためには、環境保護と地域経済のバランスを保つことが必要とされています。私は近所の方から、畑で収穫された野菜をいただくことがあります。曲がった野菜や多少傷が付いた野菜も交じっていることがあります。しかしどれも新鮮で、その土地の恵みが凝縮されています。「不揃い品」とよばれる食材もおいしく食べられるということです。「不揃い品」の良さを、まず知ってもらうことが大切です。常陸大宮市には、栃木県に隣接している「道の駅」があります。道の駅で、「不揃い品」を安価で販売したり、「不揃い品」を余すことなく生かした食品を開発・販売することで、循環可能な取り組みをしている地域であることを広くアピールできると考えます。
いずれの提案もキーワードは、地域の魅力や特色を「知ってもらう」ことです。地域の魅力を実感している私たちが、まず行動することが大切だと考えます。地元の高校生や大学生とワークショップやイベントを開催するなど、今から取り組めることもあります。だれもが楽しめるよう私達も市の役に立ってみたい。そんな思いを胸に、常陸大宮市をさらに活気あふれる市にしていきたいです。