制定の背景及び目的
有価物として市場で取引されている金属スクラップなどの再生資源物は、その保管について直接規制する法令等がなく、不適切な屋外保管によって、周辺住民の生活環境等に支障が生じる場合があります。市では、屋外に保管された再生資源物の飛散、崩落その他の事故等を防止し、操業に伴う騒音、振動、悪臭等の発生の軽減を図り、市民生活の安全の確保と生活環境を保全するため、「常陸大宮市再生資源物の屋外保管に関する条例」を制定し、令和6年4月1日から施行することになりました。
これにより、再生資源物の屋外保管を行う事業者は、設置する屋外保管事業場ごとに常陸大宮市長の許可を受けなければなりません。
また、令和6年4月1日時点において、既に再生資源物の屋外保管を行っている事業者の場合は、屋外保管事業場である旨の届出が必要となり、これらの届出の提出があった場合には、許可を受けた屋外保管事業者とみなします。以下「7.既存屋外事業場について」を参照してください。
再生資源物とは
使用を終了し、再生資源として収集された木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器、プラスチックその他これらに類する材質を原材料とするもの(分解、破砕、圧縮等の処理がされたものを含む。)及びこれらの混合物をいいます。
主な再生資源物の種類
- 鉄スクラップ:鉄筋、鉄骨等
- 非鉄金属スクラップ:電線、配線、タイヤホイール等
- 雑品スクラップ:廃家電、モーター、バッテリー等
(なお、雑品スクラップとは、再生資源物にプラスチックやガラスなどの他の材質が付着したものをいいます。)
屋外保管事業場とは
業として再生資源物の取引を行うため、建物(屋根、周壁及び床又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物。)の外において、再生資源物を保管する場所(屋外保管に伴い再生資源物の破砕、選別、積替えその他の作業を行う場所を含む。)をいいます。
1.許可申請について
屋外保管事業場を設置しようとする事業者は、設置する屋外保管事業場ごとに、屋外保管事業場の設置に関する計画(以下「設置計画」という。)その他の必要な事項を記載した申請書を提出し、市長の許可を受けなければなりません。
また、許可の有効期間は5年とし、更新の許可を受けなければなりません。
ただし、次の「1」から「3」のいずれかに該当する場合は許可不要です。
- 当該屋外保管事業場の敷地面積が100m2を超えない場合(敷地が隣接する屋外保管事業場にあっては、その敷地が隣接する屋外保管事業場の各敷地面積の合計が100m2を超える場合を除く。)
- 屋外保管以外の事業やそれに伴う再生資源物の破砕、選別、積替え以外の事業をその本来の業務として行う者が、その業務に付随して当該本来業務を行う事業場において屋外保管を一時的に行う場合
- 使用済自動車の再資源化等に関する法律第60条第1項の規定による解体業の許可又は同法第67条第1項の規定による破砕業の許可を受けた者のそれぞれ当該許可に係る事業所において屋外保管を行う場合
2.許可申請手数料について
許可を受けようとする事業者は、申請時に手数料を納付しなければなりません。
- 設置申請の許可:30,000円
- 更新の許可:25,000円
- 変更の許可:23,000円
- 譲受け又は借受けの許可:9,000円
3.屋外保管事業場の立地基準について
屋外保管事業場の場所は、次の「1」から「3」の基準に適合しなければなりません。
- 都市計画法(昭和43年法律第100号)第5条の規定により指定された都市計画区域外であること。
※都市計画区域については、「都市計画区域の位置図」を参照。 - 住宅等から屋外保管事業場の敷地の境界までの距離が100メートル以上であること。
- 屋外保管事業場の場所の土地の地形及び地質等が市民生活の安全の確保及び生活環境の保全上支障がないものであること。
4.周辺関係者へ説明会の開催について
許可を受けようとする事業者は、許可の申請に係る屋外保管事業場の周辺関係者(設置しようとする屋外保管事業場の境界線からおおむね300m以内の地域において住所を有し、又は土地若しくは建物を所有する者)に対して、あらかじめ設置計画に関する説明会を開催しなければなりません。
5.屋外保管事業場の保管基準について
屋外保管事業場における再生資源物の保管について、次の基準を遵守しなければなりません。
- 屋外保管事業場の周囲に囲いが設けられていること。
- 外部から見やすい箇所に屋外保管事業場である旨その他屋外保管に関し必要な事項を表示した掲示板が設けられていること。
- 屋外保管する再生資源物の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあっては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であるようにすること。
- 容器を用いずに屋外保管する場合にあっては、積み上げられた再生資源物の高さが、規則で定める高さを超えないこと。
※「保管基準のイメージ」参照。(例:積み上げられる最大の高さは5mまで) - 屋外保管に伴い汚水が生ずるおそれがある場合にあっては、屋外保管の場所の底面を不浸透性の材料で覆うとともに、油水分離装置及びこれに接続している排水溝その他の設備を設けること。
- 屋外保管事業場において騒音又は振動が発生する場合にあっては、当該騒音又は振動によって市民生活の安全の確保及び生活環境の保全上支障が生じないよう必要な措置を講ずること。
- 屋外保管事業場がねずみの生息やハエ、蚊の発生などの原因とならないよう必要な措置を講ずること。
- 屋外保管事業場における火災の発生又は延焼を防止するため、規則で定める措置を講ずること。
※「保管基準のイメージ」参照。
6.取引に関する記録及び閲覧について
許可事業者は、許可を受けた屋外保管事業場ごとに、再生資源物の取引に関する以下の事項を記録し、当該屋外保管事業場に備え置き(備え置いた日から起算して3年を経過する日まで)、屋外保管に関し市民生活の安全及び生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければなりません。
- 再生資源物の取引年月日及び取引先
- 再生資源物の品目及び数量
- 屋外保管事業場からの流出の防止のために回収した廃油及び廃液の品目及び数量
- 火災の発生のおそれがあるものとして回収したものの品目及び数量
7.既存屋外保管事業場について
令和6年4月1日時点において、市内に存在する屋外保管事業場(以下「既存屋外保管事業場」という。)のうち、敷地面積が100m2を超えるものを設置している事業者(以下「従前の事業者」という。)については、同年9月30日までに、屋外保管事業場である旨の届出が必要となり、これらの届出の提出があった場合には、許可を受けた屋外保管事業者とみなします。
既に事業場が設置されていることを考慮して、「3.屋外保管事業場の立地基準について」及び「4.周辺関係者の説明会の開催について」は適用しません。
また、既存屋外保管事業場である旨の届出には、申請手数料はかかりませんが、5年後ごとの更新時には、更新手数料がかかることになります。
なお、これらの届出の提出がない場合には、無許可での屋外保管事業場の設置となり、罰則の適用の対象となります。(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)