○常陸大宮市議会基本条例

平成25年10月1日

条例第14号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第4条)

第3章 市民と議会との関係(第5条―第7条)

第4章 議会と市長等との関係(第8条―第11条)

第5章 自由討議の尊重及び保障(第12条)

第6章 議会及び議会事務局の体制整備(第13条―第16条)

第7章 議員の政治倫理,議員定数及び議員報酬(第17条・第18条)

第8章 議会及び議員の責務(第19条)

第9章 条例の継続的な検証及び検討(第20条・第21条)

附則

常陸大宮市議会(以下「議会」という。)は,市民に選ばれた議員で構成され,同じく市民により選ばれた市長とともに,二元代表制のもと,市民の負託に応える重要な役割と責任を担っている。また,地方分権の時代にあって,地方公共団体の自己決定権や責任の範囲が拡大する中,その果たすべき役割や責任はますます大きくなっている。

議会は,市の意思決定機関として,市民の意思を的確に捉え市政に反映させるため,市長等執行機関との立場や権能の違いを踏まえ,常に緊張関係を保ちながら,事務事業執行への監視及び評価機能の強化を図るとともに,政策立案及び政策提言等の機能を十分に発揮することが必要である。

よって,常に時代に対応した地方分権を先導する議会を目指して,一層の議会改革に取り組むとともに,公正性,透明性及び独自性を確保し,より市民に開かれ,市民から信頼される議会を構築することを決意し,この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,議会及び議員の責務及び活動の原則,市民と議会との関係,議会と市長等執行機関(以下「市長等」という。)との関係その他議会の基本的な事項を定め,二元代表制における意思決定機関として,議会の権能を最大限に発揮するとともに,市民に開かれた議会活動を行い,もって市民の福祉の向上及び市政の進展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は,次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 公正性,透明性及び独自性を確保するとともに,市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 市民の多様な意見を把握し,政策形成に適切に反映できるよう,市民参加の機会拡充に努めること。

(3) 市民の視点で,議員の自由な議論・討論を行い,もって政策立案及び政策提言等の強化に努めること。

(4) 市民本位の立場から,適正な市政運営が行われているかを監視し,評価すること。

(5) 議会運営は,市民の関心や傍聴意欲が高まるよう,分かりやすい視点,表現方法等で行うこと。

(委員会の活動原則)

第3条 委員会(常任委員会,議会運営委員会及び特別委員会をいう。以下同じ。)は,次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 委員会は,社会,経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため,適切な運営により機動力を高めなければならない。

(2) 委員会は,その専門性を十分に活用し,政策立案及び政策提言等に努めなければならない。

(3) 議会は,委員会間の調整を図るため,正副委員長連絡協議会を設置することができる。

(議員の活動原則)

第4条 議員は,次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 市政の課題全般について,市民の意見を的確に把握するとともに,自らの資質を高める不断の研さんによって,市民全体の奉仕者,代表者としてふさわしい活動を行うこと。

(2) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し,議員間の自由な討議を重んじること。

(3) 議会の構成員として,議会活動を最優先し,一部の団体及び地域の代表にとどまらず,市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

第3章 市民と議会との関係

(市民参加及び市民との連携)

第5条 議会は,常陸大宮市情報公開条例(平成11年大宮町条例第15号)に基づき情報の開示を行うほか,議会活動に関して有する情報を積極的に公表し,透明性を高めるとともに,説明責任を十分に果たすものとする。

2 議会は,本会議,常任委員会及び特別委員会を原則公開するものとする。

3 議会は,公聴会制度及び参考人制度を十分に活用して,市民及び学識経験を有する者等の意見を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

4 議会は,請願及び陳情の審議においては,必要に応じて提案者の意見聴取を行う機会を設けることができる。

5 議会は,市民との意見交換の場を多様に設け,市民の意見を的確に把握し,政策立案及び政策提言等を積極的に行うよう努めるものとする。

(議会報告会)

第6条 議会は,市民に対して議会活動の状況を報告するとともに,市民との意見交換の場として,議会報告会を開催するものとする。

2 議会報告会の開催に関し,必要な事項は,別に定める。

(議会広報の充実)

第7条 議会は,市民との情報の共有化を図るため,議会活動に関する情報の積極的な発信に努めるものとする。

2 議会は,広報紙,ホームページ等,多様な広報媒体を活用し,市民が議会に関心を持てるよう努めるものとする。

第4章 議会と市長等との関係

(議会及び議員と市長等との関係)

第8条 議会審議における議員と市長等は,独立対等な立場での緊張関係の保持に努めるものとする。

2 議会審議における議員と市長等との質疑応答は,論点及び争点を明確にして行うものとする。

3 本会議及び委員会において,市長等は議長又は委員長の許可を得て,その論点を整理するため議員の質問に対して,反問することができる。

(政策等の形成過程の説明請求)

第9条 議会は,市長等が提案する重要な政策,事業等(以下この条において「政策等」という。)について,政策評価を通して政治的責任を十分果たすため,次に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。

(1) 政策等の目的及び必要とする背景

(2) 政策等の概要

(3) 政策等への市民参画の有無及びその内容

(4) 政策等と総合計画との整合性

(5) 政策等の実施に係る財源措置

(6) 政策等の将来にわたる効果及びコスト

(予算及び決算における説明及び審査)

第10条 議会は,提案される予算及び決算の審議にあたっては,前条の規定に準じて,市長等に対し,主な政策説明資料の提出を求めるとともに,立案・執行における論点及び争点を明確にし,政策評価に資する審査に努めなければならない。

(政策立案,政策提案及び政策提言)

第11条 議会は,政策立案機能の強化に努め,もって条例の提案,議案の修正,決議等の政策提案を行うとともに,市長等に対し,政策提言を行うものとする。

第5章 自由討議の尊重及び保障

(自由討議による運営及び合意形成)

第12条 議会は,言論の府であることを十分認識し,議員相互間の自由討議を中心とした議会運営に努めるものとする。

2 議会は,委員会における議案の審議及び審査にあたっては,合意形成に向けて議員相互の議論を尽くすよう努めるものとする。

第6章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第13条 議会は,議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため,議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会は,議員研修の充実強化にあたり,広く各分野の専門家及び市民との研修会を積極的に開催するものとする。

(議会機能の強化)

第14条 議会は,二元代表制の趣旨を踏まえ,議事機関としての機能を発揮するため,市長等の事務の執行の監視及び評価機能の強化を図るとともに,市政に関する課題に対応した議会運営が確保できるよう努めるものとする。

(議会事務局の体制整備)

第15条 議会は,議会及び議員の政策立案等の能力の向上を図るため,議会活動を補佐する議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備を積極的に図るものとする。

(議会図書室の充実)

第16条 議会は,議員の調査研究に資するため,議会図書室の充実に努めるものとする。

第7章 議員の政治倫理,議員定数及び議員報酬

(議員の政治倫理)

第17条 議員は,高い倫理的義務が課せられていることを深く自覚し,品位の保持に努めなければならない。

2 議員定数及び議員報酬の改正にあたっては,行財政改革の視点だけではなく,市政の現状と課題,将来の予測と展望を考慮し,客観的な判断に基づき審議するものとする。

第8章 議会及び議員の責務

(議会及び議員の責務)

第19条 議会及び議員は,この条例及び議会関係条例等を遵守して議会を運営し,もって市民を代表する合議制の議事機関として責任を果たさなければならない。

第9章 条例の継続的な検証及び検討

(他の条例等との関係)

第20条 この条例は,議会に関する基本的事項を定める条例であり,他の議会関係条例等を制定し,又は改廃するときは,この条例の趣旨を十分に尊重しなければならない。

(継続的な検証及び検討)

第21条 議会は,常に市民の意見,社会情勢の変化等を踏まえ,議会運営に係る不断の評価と改善を行い,必要があると認めるときは,議会運営委員会等において,この条例の規定について検証及び検討を行うものとする。

2 議会は,前項の規定による検討の結果,制度の改善が必要な場合は,この条例の改正その他適切な措置を講じ,市民に公表するものとする。

この条例は,公布の日から施行する。

(令和5年条例第33号)

この条例は,公布の日から施行する。

常陸大宮市議会基本条例

平成25年10月1日 条例第14号

(令和5年12月26日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成25年10月1日 条例第14号
令和5年12月26日 条例第33号