常陸大宮市高部に所在する岡山家の「養浩園」と「喜雨亭」は、明治時代の面影を残す庭園と楼閣建築です。同じ高部にある「間宮家住宅主屋」に続いて、国登録文化財となりました。
高部宿は山方地域と烏山(現在の那須烏山市)を東西に結ぶ那須街道沿いに展開した宿場町で、江戸時代には和紙や楮、葉煙草の集散地として栄えました。岡山家は、その発展を支えた有力な紙問屋のひとつです。
▲上空から見た高部宿
養浩園
▲文化人たちが眺望を楽しんだ養浩園
▲シロヤシオが咲く養浩園
▲紅葉の養浩園
名称
岡山氏庭園(養浩園)
種類
国登録記念物
登録日
令和4年11月10日
解説
明治時代の中期に、酒造業を営んでいた岡山氏が造営した池泉庭園です。庭門の手前に3階建ての楼閣「喜雨亭」が建ち、門を潜ると前方に中島のある園池が広がります。園池の向うには緒川が流れ、その背後に切り立った岩山がそびえます。
喜雨亭
▲喜雨亭
▲野口勝一の襖絵のある喜雨亭2階
▲ギヤマンガラスで彩られる喜雨亭3階
名称
旧岡山酒造養浩園喜雨亭
種類
登録有形文化財(建造物)
登録日
令和4年6月29日
解説
明治時代の中期、当時の当主・仙太郎によって建てられた楼閣です。江戸時代に紙問屋として発展した岡山家は、明治6年に家業を酒造業に転換し、「花の友」などの銘柄の酒を醸造しました。酒造業でも成長を遂げ、地域の名士となった岡山家が地域に築いたランドマークが、この喜雨亭でした。木造3階建てで、1階は近年茶室に改装されましたが、2階、3階は創建時からの様子が残されています。2階は8畳の座敷に南・東に面した広い縁側が廻り、南に広がる回遊式庭園「養浩園」を眺めることができます。周辺に広がる豊かな自然に溶け込んだ風景は、喜雨亭の佇まいとともに、和紙や楮の取引きで栄えた時代の高部の賑わいを感じとれます。
公開情報
養浩園および喜雨亭は個人所有のため、普段は非公開ですが、地域の有志による保存・活用が続けられ、定期的な公開がされています。
次回の定期公開は下記の通りです。
日時
令和7年3月15日(土曜日)午前9時30分から午後3時まで
場所
茨城県常陸大宮市高部3970
駐車場は道路を挟んだ向かい側の敷地をご利用ください。
観覧料金
1人500円(中学生以下は無料)
解説書付き。いただいたお金は、庭園等の整備に活用させていただきます。
主催およびお問合せ先
- 森と地域の調和を考える会
- 特定非営利活動法人 美和の森
電話番号:0295-58-3812
ホームページ:https://npo-miwanomori.jimdofree.com/