常陸大宮市史編さん事業の本格始動に伴い、平成28年9月発行の「広報常陸大宮」から、市史編さんだよりの連載をスタートしました。
常陸大宮市史編さんだよりvol.90
『常陸大宮市史資料叢書3 古代・中世1 佐竹一族・家臣系図:常陸大宮ゆかりの諸家』刊行!
古代・中世史部会 専門調査員
東海村立図書館 司書
森木 悠介
本書は佐竹一族・家臣のうち、市内の地名を名字に持つ氏族や市域との関わりが深い氏族の系図・由緒書計103点を収録した資料集です。4章構成となっており、収録内容は次の通りです。
- 【1章】佐竹本宗家
- 【2章】佐竹一族:高部(檜沢)氏、白石氏、長倉・上平・大沢氏、小瀬氏、小場・前小屋氏、小田野氏、小室氏、宇留野氏、佐竹東家
- 【3章】佐竹家臣:青柳氏、泉氏、鷲子江戸・江帾・布施・石川氏、小貫・潮田・小林氏、加志村氏、立原氏、田村氏、鳥子氏、中田氏、長山氏、野上氏、平沢氏、諸沢氏、山方氏
- 【4章】 由緒
1章には佐竹本宗家に関わる史料を収録しました。特に「源氏系図」(甲神社蔵、市指定文化財)は、巻頭に写真版を掲載しており、市内に残された中世に遡る系図として今後の研究に寄与することが期待されます。
▲源氏系図(甲神社蔵)
2章は佐竹氏の一族とその分流に関する史料を収録しました。長倉氏が改易された経緯を記した「長倉氏世系之図」、佐竹東義堅・義喬の頃に山方城主になったという伝承を記した「東家家伝抄」などが収録されています。
3章は佐竹本宗家や一族に仕えた家臣を収録しました。小貫通定が部垂城を築いたことや小貫俊通が佐竹義元に部垂城を奪われた経緯などを記した「小貫氏系図」、野口氏滅亡後、野口氏重臣青柳・泉・田村・中田氏が野口城を管理していたことを記した「承伝口上之覚」、佐竹東家に仕えたものの、秋田転封には従わず、地元に残った立原氏の由緒を伝えた「立原氏由緒書」(市指定文化財)などが収録されています。
4章には中世半ばにおける佐竹家臣団の由緒が分かる「康応記録」・「佐竹譜代記録」が収録されており、佐竹家臣団研究の進展に寄与することが期待されます。
この他、多数の史料を収録するとともに、内容・特徴が理解できるように各史料には解説をつけて読者の便宜を図っており、たいへん読み応えのある一冊となっています。
刊行物概要
- 名称:常陸大宮市史資料叢書 3 古代・中世 1 佐竹一族・家臣系図:常陸大宮ゆかりの諸家
- 仕様:A4判、200ページ
- 価格:1,500円
- 発売日:令和7年4月7日(月曜日)
販売窓口
下記の3か所でお買い求めいただけます。
- 常陸大宮市役所3階文化スポーツ課(常陸大宮市中富町3135-6)
- 常陸大宮市歴史民俗資料館(常陸大宮市中富町1087-14 )※月曜日および祝日は休館します。
- 常陸大宮市文書館(常陸大宮市北塩子1721)※月曜日および祝日は休館します。
郵送でのご購入をご希望の方は、以下のものを文化スポーツ課あてにお送りください。
- 代金分(1,500円)の普通為替証書
- 購入する書籍名・冊数、郵送先のご住所・お名前・電話番号を書いたメモ
こちらで確認が取れ次第、ゆうパック着払いでお送りします。
※発売日は4月7日(月曜日)です。それ以前にお送りいただいていた場合でも、発売日以降の対応となりますのでご了承ください。